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近年、薬剤抵抗性で反復性の頻拍性不整脈に対して心臓カテーテルを用いた治療法が開発され、これまで開胸的に行われてきたものに代る根治療法として広く行われてきています。薬剤が有効な例においても、長期にわたって服薬を必要としなくなるという利点により、考慮に値する方法であります。この高周波カテーテルアブレーション(以下アブレーション)について、原理、適応疾患を簡単に御紹介したいと思います。
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不整脈の生じるメカニズム
アブレーションは、不整脈の原因となる心筋の部位を高周波により加熱しピンポイントに凝固壊死せしめることで不整脈を根治し得ます。不整脈の生じるメカニズムは、
(1)異常自動能
(2)triggered activity (撃発活動)
(3)リエントリー
の3つに分類されますが、
(1)(2)においては異常な興奮を起こす病変部を、(3)においてはリエントリー回路を断ち切る部位を標的にします。不整脈のメカニズムを診断し、アブレーションを行う至適部位を探
す作業をマッピングといいます。
アブレーション用のカテーテルの先端の電極で心内心電図を観察しながら操作してマッピングを行い、心内心電図のパターンと透視上の解剖学的部位からカテーテル先端が至適部位に当たっていることを判断し高周波通電を行います。
アブレーション用カテーテルの先端は温度センサーを内蔵しており、50~60℃の設定で30~60秒間通電します。1回の通電で凝固壊死になるのは直径6mm、深さ4mm程度の半球状の領域です。不整脈を根絶するまでこのように高周波通電を数回から十数回繰り返します。

アブレーション適応疾患
適応疾患は発作性上室性頻拍(PSVT)、WPW症候群、心房粗動、特発性心室頻拍などです。以下に各疾患のアブレーションについて簡単に記します。
発作性上室性頻拍(PSVT)
PSVTは、WPW症候群(潜在性を含む)に伴う房室回帰性頻拍と房室結節内リエントリー
性頻拍に二分できますが、いずれも高い成功率が期待できます。
WPW症候群
健康診断等の心電図検査で無症状で発見されることも多く、頻拍発作の既往のないWPW症候群は適応になることは少ないですが、PSVTがなくても心房細動の合併例や失神発作の既往例は治療を考慮するべきです。
心房粗動
心房粗動の多くは右心房の三尖弁輪周囲を旋回するリエントリーを機序とするもので、
この回路を横断するように三尖弁輪と下大静脈を結ぶように線状に右房壁をアブレーショ
ンすることで根治可能ですが、点状の個々の焼灼巣を切れ目なく連続させる必要があるので通電回数はやや多くなります。
心室頻拍
基礎心疾患を伴わない特発性心室頻拍は右室流出路起源のtriggered activityによるものと、左脚後枝を介するリエントリー性のものがあり、いずれもアブレーションの適応になり得ます。一方、心筋梗塞や心筋症などに伴う心室頻拍はマッピングをおこなうために誘発すると血行動態が破綻しやすく、また複数の回路が存在する場合もあり、アブレーションが困難な例が多くあります。後者の場合は植え込み式除細動器も含めて考慮するべきでしょう。
アブレーションに要する手術時間は約3時間で、局所麻酔で可能です。カテーテルの挿入は標準的には大腿静脈、内頸静脈より行い、症例によって(左心系に病変がある場合)大腿動脈を追加します。入院期間は数日から1週間程度です。
詳しく御相談を御希望の場合、当院の内科・不整脈外来(毎週水曜午前、担当 島)へお願いします。
文責:神戸医療センター 循環器科 島 尚司